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巨大なロボットに主人公(人間)が乗り込み操縦して活躍するという、現在「巨大ロボットアニメ」と呼ばれるジャンルに分類される初めての作品(「外部からリモコン操作」を含めれば鉄人28号が最初。又、『融合』という設定になるが、マジンガーZよりも先にアストロガンガーが放送されている。)であり、後の『機動戦士ガンダム』や『新世紀エヴァンゲリオン』等の同系作品を生む事になる日本のTVアニメの歴史を語る上で避ける事のできない”記念碑”的作品である。 本作は、読者・視聴者に好評を博する一方、番組内容を商品展開や雑誌企画と連動させるメディアミックス的な展開が成功をおさめた。その結果、TV放映は2年近いロングランとなり、続編の『グレートマジンガー』『UFOロボ グレンダイザー』と合わせると4年を越える長期シリーズとなった。この成功により、TVアニメに「巨大ロボットもの」というジャンルが確立され、本作はそのジャンルの原点として現在でも様々な形で注目されている。 アニメの方は、日本で視聴率が最高30%を超える大ヒットを果たした後、スペインやイタリアなどヨーロッパでも放映され、大人気を博した(スペインで視聴率80%など)。以降、世界各国でヒットしている。 以下、本稿では漫画作品とTVアニメ作品の両方について述べる。 人間が乗り込んで操縦することで動く巨大ロボット・マジンガーZ。 祖父が作ったこのロボットを受け継いだ高校生・兜甲児がマジンガーZに乗り込み、世界征服を狙う悪の科学者・Dr.ヘル(地獄)が送り出す機械獣(本作品における敵の巨大ロボットの名称)と戦う物語。 『週刊少年ジャンプ』(集英社)の1972年10月2日号 - 1973年8月13日号。 掲載順に大雑把な内容区分をするならば、I.「マジンガー誕生編」・II.「ドグラ・マグラ編」・III.「にせマジンガー編」・IV.「機械獣大作戦編」・V.「ローレライの歌編」・VI.「ブロッケンの妖怪編」・VII.「鉄十字とグロゴス編」・VIII.「マジンガー軍団編」(未完)の全8章となる。 『テレビマガジン』(講談社)の1973年10月号 - 1974年9月号。 月刊に移行し各話20P前後の読み切り形式となる。ZやアフロダイのデザインもTVアニメに準拠したものへリニューアルされた。全13回(ラストはそのままタイトルも含め『グレート』へ移行)。 単行本は最初のジャンプ・コミックス全4巻など。 週刊少年ジャンプに掲載されていたものは、これからマジンガーZとドクターヘルの最終決戦が始まるという場面で唐突に最終回を迎えた(現在出版されているものは、マジンガー軍団とドクターヘルの最終決戦などが追加されている加筆版が主。唯一講談社漫画文庫版のみ、ジャンプ版とテレビマガジン版の両方が初出に非常に近い形態で収録されている)。 当時、作者は漫画家として一つのピークを迎えており、同時並行で週刊少年マガジンにも『デビルマン』を連載する健筆ぶりだった。後に作者がインタビューで答えている内容からも薄々窺えるが、作者自身の作家魂とその作品的ウエイトは明らかに『デビルマン』にシフトしつつあり、ジャンプ連載版「Z」が遂に未完に終わったのは人気不振に伴う「打ち切り」とも無縁(むしろ人気が高すぎたため、雑誌カラーを逸脱するのを恐れたジャンプサイドからの区切りを求める声、掲載記事の好評から漫画の掲載を望んだ講談社の声もあったという)の、言わば持てる力を一極集中させるための「身辺整理」といった意味合いが強かった。この未完に終わったという事実が「Z」アニメ版や他の永井作品と比して「Z」原作版の世評・知名度が今一つ落ちる原因となっている。 「まんが編集術」(西村繁男著・白夜書房)の西村繁男(『少年ジャンプ』三代目編集長)の証言 「この頃、永井さんは仕事も多かったけど、結局、ダイナミックプロという会社になって、兄弟が社長になったりして、マネージメントが非常に厳しくなるんです。原稿料はボンボンつり上がるし、その辺から『マジンガー』を短期で終わらせざるをえなかったんです。これは永井さんの知らないところで、マネージャーが交渉するんですね。本人、全然知らないから、何年もたってから『ジャンプ』でやりたいっていったらしいけど、「いや、おたくは原稿料がシビアーだから」っていって、こういうこともあったよっていろいろ話したら、本人、全然知らなかったのね。」 ストーリー ここではTVアニメ版と違う点のみ表記 兜十蔵博士は地震で瓦礫の下敷きになって死亡する直前、息子夫妻を実験中の事故で死なせたことへの償いから、孫の甲児に超合金Z製・光子力で動くマジンガーZを与えた。十蔵のビジュアルや言動はアニメ版より遥かにマッドサイエンティスト風であり、ある意味Dr.ヘルと同等のキャラクターとして描かれている。 ドクター・ヘルの巨大ロボット群を使った日本侵攻が始まった時、甲児はマジンガーZで、ヘルの野望を打ち砕くために戦い始める。 甲児が最初にZを起動させた際に(アニメ版は誤ってシローを踏みつけそうになる程度)原作では(甲児の本意ではないにせよ)市街地で大暴れしている。 ドクター・ヘルの部下は、ミケーネの貴族夫婦のミイラを一体化したあしゅら男爵、ナチの鬼将軍のサイボーグであるブロッケン伯爵。ジャンプ連載時にはピグマン子爵は登場せず(その後テレビマガジン連載時に登場)。 ヘル一味の武力が改造巨大ロボット「機械獣」なのは同じだが、アニメ未登場の機械獣が意外と多く存在する(ジャンプ連載版だけでもドグラ・マグラ、バマラスY1、マリオN7、グロゴスG5等など多数おり、テレビマガジン連載版に至っては全て作者オリジナルでアニメ未登場)。 アニメ版に登場した原作機械獣でも、ゴーストファイアーP10→グレンゴーストC3、バルガスV5→ベルガスV5といった具合になぜか原作から名前が微妙に変更されたり、キングダンX10やグロッサムX2のように能力・武装が地味に変更されてしまった例も多い。 『週刊少年ジャンプ』連載版にボスボロットは登場しない(アニメ版の放映中に連載が終了したため)。ボス自身は登場し、アニメ版よりも甲児の恋敵・悪友的な要素が強調されている。 ヒロインの弓さやかは勇敢な少女ではあるが、アニメ版よりはおっとりした性格になっており甲児に対しても素直に好意を示している。愛機アフロダイAは海底要塞サルード自爆と運命を共にして喪失。後継機はビューナスA(『グレートマジンガー』のビューナスともデザインが異なる)。ダイアナンAはジャンプ連載版には登場せず。 「ローレライの歌」篇に登場するシュトロハイム博士のロボットの名が原作ではドナウα1であり、アニメ版61話のラインX1と異なる(デザインも若干違う。ちなみにローレライがあるのはライン川でありドナウ川ではない。)。また原作ではリバーF9にあしゅらが乗り込み操縦していた。 暗黒寺闇太郎警部は「やくざの息子が警察官になった」と自称し、悪役的な言動を見せながら甲児たちに協力してDr.ヘルの組織を追う敏腕警部という役どころであったが、ニセマジンガーZとの戦いを最後に姿を見せなくなり、アニメ版にも登場していない。 キャラクター ここではTVアニメ版と違うことのみ表記 兜甲児(かぶと こうじ) FX としては前作「ハレンチ学園」に登場した”山岸くん”こと山岸八十八(やまぎしやそはち)の発展形として設定した、と作者がインタビューで後に語っている。またアニメ版では兜邸にルミというお手伝いがいて身の回りの世話をしていたが、原作ではお手伝いさんや家政婦も置かれておらず、料理も含め甲児が賄い仕事全般を器用にこなしている。 弓さやか(ゆみ さやか) キャラクターとしては前作「ハレンチ学園」に登場した”十兵衛”こと柳生みつ子(やぎゅうみつこ)を強く意識した、と作者がインタビューで後に語っている(十兵衛自身も原作にワンカットのみ登場している)。また原作では甲児と高校のクラスメートである点も大きな違い(アニメ版では高校に通っていない)。なお、ジャンプ連載時にはさやかのロングヘアーに茶髪のようなトーンが貼られていたが、コミックス化に際し(コマ単位で全面的に)黒くベタ塗りされてしまっていた。1999年に講談社漫画文庫から出版された(ジャンプ連載時のまま収録した)完全復刻版(全3巻)によって茶髪のオリジナル弓さやかを見ることは可能。 ボス 固有名が設定されておらず、ブロッケン伯爵相手に「本名は俺も作者も知らない」云々と苦笑いしながら自己紹介している。アニメ版のような半袖Tシャツではなく、もっぱら学ラン姿。なお、「棒田進(ぼうだすすむ)」とは1998年に連載された永井の漫画『Zマジンガー』中での呼称であり、本作と直接関係は無い。 ヌケ 初登場時にムチャから「ボケ」と呼ばれる場面あり。やはり学ラン姿(鼻水は垂らしている)。 ムチャ アニメ版より長身であり、ボスと同じくもっぱら学ラン姿であった。 兜シロー(かぶと しろー) 永井キャラらしくアニメ版よりも悪童ぶりが目立ち、日経225 も荒っぽい。パイルダーを操縦して機械獣ガミア三姉妹の一体(Q1)を撃破する活躍も見せた。 兜十蔵博士 甲児の祖父。 やや狂気じみた科学者。数多くの特許を持ち、その収入でマジンガーZを建造。突然の大地震で命を落とすが、死の直前に甲児にマジンガーZを与え「お前は神にも悪魔にもなれる」と言い放つ。孫のシローに「いきなり顔を見せるな」と罵られる程の、顔に大きな傷のある隻眼の老人だったが、TVアニメ版では普通の温和な顔立ちの老人(しかも目は潰れていない)になっている。またアニメ版と違い、光子力研究所からは完全に引退していた。 弓弦之助教授 十蔵の弟子で光子力研究所の所長。外国為替 には髪型やヒゲがアニメ版とかなり違っていたが、講談社でのコミックス化に際して作者によりアニメに準拠した顔へ(コマ単位で全面的に)描き直されてしまった。性格もアニメ版より若干アクティブかつアグレッシブに描かれていた。1999年に講談社漫画文庫から出版された(ジャンプ連載時のまま収録した)完全復刻版(全3巻)によってボサボサ髪のオリジナル弓教授を見ることは可能。 三博士(のっそり・もりもり・せわし) 三人ともアニメ版と顔や頭身が微妙に異なる(もりもりが短躯でメガネを着用、のっそりがメガネ・口ヒゲなしで極太の眉毛、といった具合)。しかも出番はほんの僅か。 Dr.ヘル(地獄) アニメ版に垣間見られた、あしゅら男爵やブロッケン伯爵とのボケツッコミ漫才風のコミカルなやりとりは微塵も無く、ひたすらマッドサイエンティスト。 あしゅら男爵 ブロッケン伯爵 どちらもアニメ版に比べて若く精悍なイメージにデザインされており、死に様も(連載終了時のどさくさ紛れに)グールがZに操縦系を破壊されて制御不能のままブード目掛けて墜落し両者とも死亡、と非常にあっけない最期を遂げている。またブロッケン伯爵はジャンプ連載版と講談社コミックス版では顔や服装のデザインが違っている。 鉄十字軍団 アニメ版と決定的に違うのは目の部分。原作では目全体が黒くベタ塗りされ、瞳が白抜きとなっている。その結果どこか髑髏を連想させる秀逸な効果が出ており、キャラクターの不気味さではアニメ版を遥かに凌駕している。 原作のみの主なメカ ビューナスA 原作版に登場。アフロダイAの後継機として開発され、弓さやかが搭乗する。グレートマジンガーに登場するものとは若干デザインが異なる。背中(にかかったロングヘアー状のパーツ)からのロケット噴射により当初から飛行能力を有している点も大きな違い。武装として、両腕に超合金Z製のブーメラン「Zカッター」を装備しており、頭部の二本のアンテナから光子力ビームを発射。なお、さやかの体型をデザインベースとしており、この為のヌード写真撮影を巡ってさやかと三博士らが甲児も巻き込んで大騒ぎを繰り広げるというエピソードがある。ジャンプ版コミックス復刻に当たり、作者によって頭部の形状が著しく湾曲したもの(炎ジュンのヘルメット風)に描き直されており、OVA『マジンカイザー』に登場したビューナスA(さやかが操縦)はこのバージョンに準拠したもの(ただカラーリングは全く異なる)。 ミリオンα 原作版に登場。ドクターヘルとの最終決戦に備えて生産された「外国為替証拠金取引 」の一機。頭部に電磁砲を備えており、顔面をスライドさせて発射する。マニピュレーターはスパイク状。胸がコクピットになっている。上半身のみの女性型でありパイロットは元レーサーで双子のローリィとロール。健闘空しくコクピットである両胸を背後から機械獣に鷲掴みされ、そのまま握りつぶされるという何ともエッチかつ悲惨な最期だった。なお、長谷川裕一の『スーパーロボット大戦α THE STORY 竜が滅ぶ日』に登場した下半身は長谷川のオリジナル。OVA『マジンカイザー 死闘! 暗黒大将軍』にも登場し、怪鳥将軍バーダラーと刺し違えた。 バイオンβ 原作版に登場。「マジンガー軍団」の一機。胸部にルストハリケーンを備えており、首がコクピットになっている。ほっそりしたシルエットで、パイロットは東しゅん。機械獣の数を恃んだ力押しにより剣でバッサリ両断されてしまった。OVA『マジンカイザー 死闘! 暗黒大将軍』にも登場したが、ミケーネ軍の超人将軍ユリシーザーに瞬殺されていた。 ダイオンγ 同じく原作版「マジンガー軍団」の一機。胸の開閉式装甲板からブレストファイヤーを放つ。ずんぐりとしたデザインでのど元にコクピットがある。パイロットは元自衛官の大出政雄。脚部がブースターになっており歩行能力は低い。機械獣軍団の集中砲火を一身に浴びて爆発四散した。なお、長谷川裕一の『スーパーロボット大戦α THE STORY 竜が滅ぶ日』に登場した脚部と装甲板は長谷川のアレンジ。OVA『マジンカイザー 死闘! 暗黒大将軍』にも登場したが、バイオン同様ミケーネ軍の妖爬虫将軍ドレイドウに瞬殺されてしまった。 最終回はそのまま『グレートマジンガー』に続く。 ストーリー ミケーネ人の古代遺跡の調査チームの一員だったドクター・ヘルは、偶然に巨大ロボット群を発見。これを使った世界征服を企み、ロボットの発掘後他の調査員達を殺害するが兜十蔵博士には逃げられてしまう。 兜十蔵博士はドクター・ヘルの野望を阻止するため、密かに建造した超合金Z製・光子力で動くマジンガーZを孫の甲児に託す。このときあしゅら男爵達の襲撃を受けて死亡。甲児はマジンガーZで、ヘルの野望を打ち砕くために戦い始める。